狼の淡い夢。

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zoom RSS 白紙の交差点を彩る極彩色の虹

<<   作成日時 : 2006/09/26 23:08  

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途中まで(モロク出発まで?)は
MixiのほうにUPしてあったものです。


続きはこっちでのみ書きました。
さらに続く+各キャラ視点で別にも書く予定。
それぞれの思惑(?)がある話なので…

アサシン・雷架&プリ・シェルの逃走劇と
BS・ティアとの出会いのお話です。

3人はまだ一次職(雷はノビ→シフ)です。

************************************************

モロクの蒸し暑い夜。

満天の星空とたいまつの炎、そして煌びやかな装飾。
噴水のある庭では偉そうな人たちが酒を酌み交わしている。
歌い踊り、なにやら自慢げに話している人たち。
もう見慣れた光景。しかし今日のパーティーは一段と賑やかだ。
うんざりするほどの社交辞令、作り笑いで愛想を振りまく。

『ライカちゃんは可愛いねぇ』『器量のよさそうな子だね』

おきまりの言葉。
いいのに、そんな事なんて言わなくても。
テンプレートそのまんまな会話。ちっとも楽しくない。
窮屈に縛られた家庭。何よりも重視されるマナー、立ち振る舞い。

もっと私には出来ることがたくさんあるはずだ!
自由に世界中を飛び回りたい。
そう……たくさんの逸話を運んでくる冒険者のように!!


庭の喧騒を離れ、自室に戻りドレスを脱ぐ。
「こんな服…着たくもないのに。」
そう、つぶやく。

その時、窓の外を何かが横切る。
しかしここは3階。誰も宙を横切れるはずがない。
「気の…せい……?」
バルコニーから身を乗り出してあたりを見渡す。
何も見当たらないし、きっと鳥か何かだろう。

夜風が頬をなでる。
庭のパーティーもお開きのようで今は片付けをする人しか居ない。
バルコニーをよじ登り屋根に座る。
手を伸ばせば手に取れそうなくらい近くに見える星。
しかしその星は絶対取れないものだと聞く。
私がこの屋敷から出てはいけないのと同じ。
一生ここから離れられないんだ、私は。

その瞬間。


自分の横に異質な気配を感じる。

そこには黒い、闇がわだかまっていた。
どんな色よりも黒い、闇。

人の形をした闇がそこにあった。

『何…!?』
怖いとか、そんなのを通り越した感情。
自分の存在などそこにはもう存在しないような。


闇が、振り向く。
小さな金色が輝いたのが見えた。顔の位置、目だ。
その金色の目が細くなった一瞬……その人型の闇は消え去っていた。

「何…何なのよ!!」
そう思わず叫んだ時、急に恐怖心がわきあがり涙があふれた。
すぐに部屋のバルコニーに下りてもう一度あたりを見回し
部屋の中を確認して、窓を閉める。

部屋のドアがノックされ、妹の声がする。
「…ライカお姉様?どうかなされましたか?」
そんな大声で叫んだ覚えはなかったのだが……
「なんでもありませんわ。おやすみなさい」
そう返事をすると、妹の足音が遠ざかっていく。

一晩中、あの金色の目の正体を考えていた。


翌朝、外は大騒ぎ。昨日のパーティーにも負けないような。
「どうか…したのですか?」
走り回っていた執事を呼び止めて聞く。
「あぁ、ライカお嬢様おはようございます。何の御用で?」
「皆が忙しそうに走り回っているから。何かあったのかと」
もう一度聞きなおすと執事が声をひそめて言った。
「昨夜のパーティーの来賓の方が亡くなったのです…」
「ふぅん…事故?」
「いえ…聞くところによれば……暗s」
その時横から執事を呼ぶ声。
「おっと喋りすぎましたな。それでは。」
執事が走ってどこかに行くのを見送ると、夜の事を思い出す。

きっとあの金色の目の闇だ。
そう勝手に決め付けた。

あれはなんだったんだろう。確かめたい。
こんな屋敷には無い不思議な謎がたくさんあるはずだ。
それを1つ1つ自分の目で確認して暴いてやりたい。
窮屈なこんな家、風習や掟すべて壊してやりたい!!
そして妹も自由にしてあげたい!

旅に出よう。出かけるなら今だ。
皆があわただしくしている今なら抜け出せるだろう。
部屋にある役立ちそうなものをいくつか鞄に詰める。

裏口から飛び出していく。
振り返ると妹がこっちをみている事に気づく。
大きく彼女に手を振りモロクの街中に紛れ込む。

水路の横でアコライトがワープポータルを開いている。
「お姉さん、アルデバラン行きはあるかい?」
アコライトはうなずくとポータルを開く。
「んじゃコレ運賃の代わりねっ!」
腕にはめていた宝石のついたブレスレットを投げ渡し
ポータルに走りこむ。
驚いた表情が光で掻き消えていく。

まずは、親友の家に行こう。
彼女ならば必ず協力してくれるはずだ。


光に送られた先は運河と風車の街、アルデバラン。
中央に聳え立つ時計塔がシンボルらしい。
たしか私の住んでる国とは領土が違うと親友に聞いた事がある。

この街に一人で来たことは…当然無い。
一人で外に出ることなんて今まで出来なかったから。
運河を渡る風が急いで駆け抜ける私の背中を押す。

正午を告げる時計の鐘が鳴り響いたとき、丁度親友の家の前にでた。


「んー…やっぱり警戒厳しいなァ……」
屋敷のそばに立つ大きな街路樹に登り、身を潜めつぶやく。
庭には警備員であろうナイトやクルセイダーがたくさん居る。
もしかすると、私が脱走したことがもう伝わってるのかもしれない。

いまさら引き返せるワケがない。引き返したくも無い。


ふと、二階のバルコニーに少女が出てきていることに気づく。
親友のシェルフィーだ。きょろきょろと周りを見渡し何かを探しているよう。

突然、屋敷の非常ベルが鳴り響く。あわてて屋敷に戻っていく警備兵たち。


視線をバルコニーに向けると親友は満面の笑みを浮かべていた。


外塀によじ登って手をあげる
「シェル!!」そう呼ぶと彼女はこっちに走ってくる。

「ライカ、貴女ついに脱走しちゃったのね!」
あまり驚いた風でもなく、彼女は言う。
「えぇ、あんな家もう我慢できないわ!世界を旅してまわるの…
だからシェル、私に力を貸して!!」
「そうね、貴女が脱走したって家に連絡が来たときココに来るってわかってた。
私も自分の力を試したい。ついて行くわ!」
「そうこなくっちゃ!!」
飛び上がって私の手を取った彼女を外塀に引き上げる。

「行っくよぉー!!」
笑顔で白昼の運河の街を駆けていく。

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